現場対話型スタートアップ協働プロジェクト

令和7年度東京都現場対話型スタートアップ協働プロジェクト

水道局 経理部 × Zero To Infinity株式会社 協働ストーリー

〜 協働テーマ 〜

無人資材置場の管理を遠隔で行い、
業務効率化につなげたい!
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  • 水道局 経理部

    水道局経理部では、震災復旧に必要な資材を保管する都内11か所の資材置場について、巡回点検、機械警備の委託等により管理しています。
    また、当局用地は、当局工事の資材置場として工事業者に使用を許可しているところがあります。

    Zero To Infinity株式会社

    Zero To Infinity株式会社は、センサー開発・AI技術・エッジセンサー技術を主領域とする社会課題解決企業です。画像解析技術を使って、鳥獣対策やメンタルヘルステックなど、独自のソリューションを提供しています。

    協働プロジェクト紹介

    課題背景

    水道局経理部では、都内11か所に設置された資材置場において、震災復旧に必要な資材の保管・管理を行っています。無人資材置場においては巡回点検や現地作業の際にしか現地を確認できず、災害発生時の即応体制を十分に確保することや、資材の保管状況を常時把握することが難しいという課題がありました。
    また、無人資材置場への不審者の侵入や盗難、機械警備の発報原因の特定などの対応にも限界があり、職員及び現地を管理する関係事業者の負担軽減と、より確実な管理体制の構築が求められていました。

    ソリューション

    AI技術とエッジセンサーを活用し、無人資材置場の業務効率化、災害時業務迅速化、盗難状況把握の仕組みを開発・導入。現場の実態に即した検知精度と運用方法を重視し、日常管理の効率化と災害時・盗難時の迅速な対応の両立を目指しました。

    プロジェクト実施期間

    2025年10月~2026年2月


    協働の様子

    プロジェクトの進行

    本協働プロジェクトでは、最初のステップとして、協働プロジェクトに応募したスタートアップと水道局が集まり、「対話イベント」を実施しました。対話に先立ち、実証フィールドである狛江地区の資材置場を実際に訪問し、機械警備発報の要因や巡回点検の実態、災害時対応における課題を現場で確認しました。事前に現場視察を行ったことで、課題の背景や制約条件を関係者間で具体的に共有することができ、その後の協議や設計においても、認識のずれが少ないスムーズなコミュニケーションにつながりました

    対話イベント後、選定プロセスを経てZero To Infinityを採択事業者として決定し、10月から協働プロジェクトを開始しました。プロジェクト期間中は、現場関係者へのヒアリングやデータ検証を重ねながら、既存のプロダクトをそのまま導入するのではなく、狛江地区の資材置場を実証フィールドとして、現場の運用に適した形へとカスタマイズを行いました

    協働プロジェクト期間中はスタートアップが狛江地区の資材置場を管理する関係事業者へ現状の巡回の方法や課題についてヒアリングを実施し、侵入者以外にも機械警備が発報する原因として小動物、鳥類、草木の揺れが考えられることを把握しました。また、現場訪問を何度も行い、人による資材置場内の正常巡回や盗難時を想定した柵の乗り越え行動等の検知のためにエッジセンサーが取得すべき行動のデータを学習させることで、精度を高くすることができました。


    プロジェクトの成果

    成果

    本プロジェクトでは、AIモデルの学習状況を確認し精度向上につなげることを目的として、中間段階で一度検証を実施しました。その結果を踏まえた調整・改善を行った上で、最終的な効果検証を目的とした実証を改めて実施し、無人資材置場における業務効率化、災害時業務迅速化、盗難状況把握について、定量的な効果を確認しました。その結果、センサーおよびAIによる検知精度は合致率94%を記録し、より高い精度で状況把握が可能であることが確認されました。これにより、機械警備の発報原因究明に要する業務時間の削減といった業務効率化にとどまらず、検知精度そのものの向上を同時に実現できることが明らかとなりました。本取組は、職員等の負担軽減につながるだけでなく、災害時・盗難時の迅速な対応を可能とすることで、より信頼性の高い管理体制の構築に寄与すると考えられます

    また、狛江地区を実証フィールドとした本取組は、地域住民にとっても「公共施設が適切に管理されている」という安心感の醸成につながり、防犯・防災の観点からも、地域における安心・安全の向上に資する取組となっています。

    今後の展望

    今回の協働では、実証フィールドを有するプロジェクトとして、協働開始時点から現地視察を行い、その後も実証の現場に定期的に足を運びながら検証と改善を重ねてきました。現場の状況や運用実態を継続的に確認しながら進めたことで、机上の検討にとどまらず、実際の管理業務に即したソリューションを構築することができました。また、協働プロジェクト終了後には、水道局からは「資材置場に人が侵入した際には即時に通知がされるため、現場の状況把握に役立った」、Zero To Infinityからは「現場課題を抱える水道局の職員が一緒に案を考えていただき大変嬉しかった。また、実証フィールドを提供いただき、検証に何度も立ち会っていただくことができたので災害状況の検知、盗難行動検知について技術力をあげるチャンスとなった。本事業を通じて今後東京都の他部局へも貢献できる技術確立ができたと考えている。」との声が上がっています。

    本協働を通じて得られた知見および構築したソリューションは、今回の実証フィールドに限らず、他の公共施設や資材置場における管理にも応用可能であり、今後は区部・島しょ地域を含めた他地域への展開も期待されます。公共施設が適切に管理されていることを社会に示し、都民の安心につながる管理体制の構築を目指していきます。