令和7年度東京都現場対話型スタートアップ協働プロジェクト
中央卸売市場 × STAR UP 協働ストーリー
〜 協働テーマ 〜
複数ある市場施設の膨大な電子化された図面をクラウドで一元管理し、
業務効率化につなげたい!
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中央卸売市場
中央卸売市場では、生鮮品等を安定的に供給する基幹的流通インフラとして、市場施設の計画的な維持更新等を行っており、施設や設備の工事の設計や施行に関する業務等を行っています。
STAR UP株式会社STAR UPは、AI図面管理・検索プラットフォーム「ARCHAIVE」を開発・提供しています。短期間での導入実現や柔軟なカスタマイズ性、低コスト、高セキュリティ環境という強みを有しており、建設業・製造業をはじめとした図面管理市場への導入実績があります。
協働プロジェクト紹介
課題背景
中央卸売市場には、豊洲市場や大田市場などの市場が11か所あり、複数施設の維持更新を適切に行っていくためには、過去の図面等を確認し、工事時期・範囲等を把握することが不可欠です。一方で、図面が紙しか存在しない竣工時期の古い施設も多数あり、これまで一部の紙図面の電子化を進めたものの電子図面が一元管理されていないため、電子化によるメリットを十分に享受できていませんでした。このような状況から、管理業務の効率化に向けて、図面の一元管理だけでなく、施設の改修履歴・竣工時期等の情報が共有できる方法が求められていました。
ソリューション
図面の電子化・一元管理が可能なAI図面管理・検索プラットフォームを開発・導入。過去図面や改修履歴、竣工時期等を紐づけて管理することで、現場職員が必要な情報に迅速にアクセスできる環境を整備することを目指しました。
プロジェクト実施期間
2025年9月~2026年2月
協働の様子プロジェクトの進行
本協働プロジェクトでは、最初のステップとして、協働プロジェクトに応募したスタートアップと都政現場が集まり、都政現場が抱えている課題や対応策を共有・議論する「対話イベント」を開催しています。
この対話イベントでは、中央卸売市場としての役割や日々の業務の概要を説明した上で、現在の業務がどのような状況にあるのか、現場の実態が率直に共有されました。その中で、一部の紙図面の電子化を行ってきたものの、一元管理されていないことから、電子化のメリットを現場として実感できていない問題点が明らかになりました。
また、実際に現場で長く使われる仕組みとするためには、専門知識を前提とせず、誰もが直感的に操作できることが重要であるといった、現場ならではの切実な声も寄せられました。
このように対話イベントを通じて、中央卸売市場が抱える業務実態や問題点を共有したことで、STAR UP側において課題への理解が深まり、現場ニーズに即した最適なソリューションの提案につながりました。9月中旬から開始した協働プロジェクトでは、特に現場での運用にどのような形が適しているのかに焦点を当て、既存のプロダクトをそのまま導入するのではなく、現場の業務フローや実際の使われ方を踏まえ、必要な情報を円滑に検索・活用できるよう、丁寧にカスタマイズを行いました。
また、現場での円滑な導入を見据え、操作方法や活用イメージを共有する説明会も実施し、そこで得られたフィードバックをシステムに反映することで、さらなる改善につなげました。対話イベントにとどまらず、その後の協働フェーズにおいても継続的に対話を重ねることで、中央卸売市場が目指す成果の創出につながる形でプロジェクトを推進することができました。
プロジェクトの成果成果
AI図面管理・検索プラットフォームの導入及びカスタマイズにより、図面の一元管理及び検索性を実現することで、市場施設の維持管理業務の効率化が見込めることを確認できました。また、ユーザーアンケートでは継続利用意向が90%となるなど、今後の実装に向けた期待や可能性が示され、非常に高い効果が確認できました。
中央卸売市場にとっては、今回開発したシステムにより、図面情報の一元管理及び検索性の実現や現場への導入可能性を検証できましたが、それだけでなく、STAR UPにとっても意義深い取組となりました。STAR UPが製造業界や建設業界で培った図面・帳票管理のノウハウが、今回の協業を通じて行政現場での導入効果が確認できたことにより、パブリック領域での事業拡大の可能性が拓けることとなりました。今後の展望
今回の協働では、対話を通じて都政現場が長年抱えてきた課題を丁寧に把握し、その後の協働プロジェクトの中でも対話を重ねたことで、期待していた以上の成果を創出することができました。また、協働プロジェクト終了後には、中央卸売市場からは「複雑な設定なく即座に使える仕様はとても良い、様々な要求に対してフレキシブルに対応できる」といった声や、「全ての図面が管理できれば、相当な業務負担の軽減につながる」といった今後の期待を込めた意見が、STARUPからは「図面・台帳の管理から、更なる効率化が見込めるモノの一元管理に向けて共に実現していきたい。」や「図面管理や情報管理に課題を感じている自治体に広げていきたい。」の声が上がりました。
今後は協働の結果を踏まえて得られた声を取り込み、有用性をさらに高めつつ、市場施設の適切な維持管理に向け、引き続き連携していきたいとのことでした。また、今回の協働で導入したAI図面管理・検索プラットフォームは汎用性が高く、中央卸売市場と同様に図面等の一元管理や電子化による維持管理業務の効率化等を目指している他の都政現場や自治体への展開が期待されます。

